Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
」
「丸ビルまでか、驚いたやつだな、そんな派手な恰好をして。」
「此間からあたい、歯が痛い痛いって言っていたでしょう、だから雨がふるとこまると思って、七階のバトラー歯科医院まで思い切って行っちゃった。」
「彼処はきみたちの行く歯科ではないよ、きみたちは蟹科に行けばたくさんなんだ、」
「失礼なおじさまね、蟹科は抜歯ばかりで、歯の技術はてんでだめなのよ、おじさまは何時も歯がお悪いくせに、何もごぞんじないんだ。」
「道理で永いお使いだと思っていたんだ。だってバトラーさんは時間ぎめだから、ふいに行っても療治してもらえない筈じゃないか、幾日の何時という時間を貰わなければならないんだが、」
「そこがあたいの腕のあるところなのよ、ちゃんと療治していただいて、疼きもとうに治っちゃった。」
「どうしてそんなウマイことをしたんだ。」
「黒の眼鏡をかけた、英語のぺらぺらのおばちゃんがいらっしゃるでしょう。」
「あ、いるいる、きょうもいたかい。」
「だからあたい、おばちゃんに歯がいたくて死にそうだと、たのんじゃったの、半分泣顔して見せてやったの。」
「そしたら、」
「そしたらセンセイのところにあたいを連れて行って、この子の歯の中に蟹の子がいるそうですから、つまみ出してくださいと頼んでくださいました。