Japanische Klassiker mit Furigana
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ちのもじ
血の文字
黒岩 涙香
Lesen Sie 血の文字 (ちのもじ) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.021 Zeichen · 87 Bildschirme
の評せし如く幾分か「小説じみ」たるに相違無しとするも道理に叶わぬ所とては少しも無し、成るほど藻西太郎は其妻にほだされて伯父を殺すの事情充分あり「之加も自ら殺せしと白状したり」愈々彼れが殺せしとすれば成るほど其疑を免るゝ奇策として我名を記すの外なきなり、我名を記すも老人の右の手を以て記す可からず、唯左の手を以て記すの一方なり、余の疑いは実に粉々に打砕かれたるに同じ、余は殆ど返す可き言葉を知ず、あゝ余は竟に此詮索を廃す可きか、余の過ちを自認す可きか。
余が殆ど思い屈したる折しも昨夜の約束を忘れずして目科は余の室に入来れり、彼れは余の如く細君の言葉には感服せざるか思屈する体更に無く、却て顔色も昨夜より晴渡れり、彼れ第一に口を開き「今日も君一緒に行くが其代り今から誡めて置く事が有る僕が何の様な事を仕ようと決して口を出し給うな、若し僕に口をきゝ度いなら誰も外に人の居無い本統の差向いに成た時を見て言給え」余は素より自ら我が智識我が経験の目科に及ばざるを知れば此誡めを不平には思わず唯再び此詮索に取掛るの嬉しさに一も二も無く承諾して早速に家を出しが、目科の今日の打扮は毎もより遙か立派にして殊に時計其他の持物も殆ど贅沢の限りを尽し何う見ても衣服蕩楽、持物蕩楽なる金満家の主人にして若し小間物屋の店の者