Japanische Klassiker mit Furigana
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ちのもじ
血の文字
黒岩 涙香
Lesen Sie 血の文字 (ちのもじ) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.021 Zeichen · 87 Bildschirme
にでも見せたらば斯る紳士を得意にし度しと必ず涎を流すならん、何故に斯も立派に出立しや、余は不審の思いを為し、歩みながらも「君今日は何の様な方針を取る積りか」と問しに目科は平気にて「問わずとも知れて居よう、藻西太郎の妻倉子を調るのさ」扨は目科も細君の議論に打負け、昨夜分るゝまで藻西を無罪と認めしに今朝は早や藻西が其妻に煽起かされて伯父を殺せし者と認め藻西の妻を調べんと思えるなるか、斯く思いて余は少し失望せしに目科は敏くも余の心を察せし如く「僕が吾が妻の意見を聞くのを君は可笑いと思うだろうが、有名なる探偵の中には下女の意見まで問うた人が有る、今までの経験に由り僕は何の様な事件でも一度は女房の意見を聞いて見る、女房は女の事で随分詰らぬ事も言い殊に其意見が何うかすると昨夜の様に小説じみて来るけれど、僕は又単に事実の方へのみ傾き過る事が有ッて僕の考えと妻の考えを折衷すると丁度好い者が出来て来る」と云う是にて見れば満更細君の意見にのみ心酔したる様にも有らねば余は稍や安心し、今日中に如何ほどの事を見出すならんと夫のみを楽みて再び又口を開かず、歩み/\て遂に彼の藻西太郎が模造品の店を開ける