Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
天狗を村人達の前につき出したところで、自分の利益には少しもなりません。それよりも、何か素晴らしいものをもらって、許してやった方がましです。その上、天狗はもう一生悪いことをしないと言ってるのです。
「それでは許してやってもよい」と爺さんは言いました。「だが、許すかわりに、この羽うちわをくれるか」
それには天狗も弱りました。羽うちわがなければ天狗の役目がつとまりません。いろいろ懇願したあげく、二里四方も利くという鼻を譲ってやることに相談がきまりました。
「ただこんな上等の鼻をもらったからといって、欲を出してはいけません」と天狗は言いました。「欲張ったことをすると、鼻を取り上げますから、そのつもりでおいでなさい」
「よいとも」と爺さんは承知しました。
そこで、大天狗は縄を解いてもらって、羽うちわを拾い上げて、それで爺さんの低い鼻を三度あおぎながら、何か口の中で唱えますと、爺さんの鼻はみるみるうちに高くなって、二里四方のものが何でもかぎ分けられるようになりました。爺さんがびっくりしてるうちに、天狗は羽うちわをはたはたとやりながら、宙に飛び上がって、どこともなく立ち去りました。