Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
むちゅうになって、赤ん坊をだきしめて、さめざめと泣いてるんです。
私はこまって、ぼんやり立っていました。
村人たちがあつまってきました。
「赤ん坊がさらわれたのではなくて、よかったよ。だが、あれは何だろう」
とんびはなにか赤いものを両足にひきつかんで、その両足をちぢめて腹にくっつけ、大きく羽をひろげて、羽ばたきひとつせず、ふうわりと宙にうかび、さもうれしそうになきながら、舞いとんでいます。日の光をいっぱいふくんだ青い空のまんなかに、その姿がつややかに光っています。
村人たちは赤ん坊のいる家の名をあげたりして、心配そうにながめていました。
「あ、そうだ」
柿のことがはっと頭にうかんで、私はかけだそうとしました。その私の肩を、誰かがとらえてゆすぶりました……。
正夫が私をゆすぶってるのでした。
「本をよんで下さらないから、僕うとうとしちゃったんです。すると、柿がなくなってるんです」
私もはっきり目をひらいて、見ると、梢の柿がいつのまにかなくなっていました。
私たちは、柿の木の下にかけていきました。けれど、いくら探しても、あのまっかな柿はその辺におちてはいませんでした。