Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
下野一郎さえも、見物人たちから怒られたのである。
「困ったなあ……」
太郎はため息つきました。一郎のおじさんから教わろうかしら……とも考えましたが、それでは間に合わないでしょう。
「はて、どうしたものかしら……」
太郎は、額にしわをよせて考えました。長い間考えました。
「あ、そうだ」
太郎は思わず叫びました。よい考えが浮かんだのです。
太郎は起きあがりました。そして、こっそりと練習をしました。どういうことをしたか、それは後で申しましょう。
雲もなく風もない、よいお天気でした。あつらえた服や帽子も届きました。それを身につけると、キシさんもチヨ子も太郎も、見たところだけは、立派な手品使いでした。
三人は、町の広場に出かけました。前の日のことがあるので、もう、おおぜいの見物人が集まっていました。だが、手品を使うのは、今日は一郎ではありません。
まず、キシさんとチヨ子とがすすみ出ました。キシさんは長いはしごを持ちだして、それを両手で頭の上に立てました。すると、チヨ子がキシさんの肩に昇り、それからはしごを一段ずつ、ゆっくり、ゆっくり、昇り始めました。キシさんは足をふんばり、両腕に力をこめて、うん……と力んでいます。