Japanische Klassiker mit Furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme
このふたりは、ながいあいだ潜水夫をやっている人たちでしたから、こういう船倉の中にただよっている人間の死がいも、かずしれず見ていました。水ぶくれになった死体、もう骨ばかりになった死体など、きみのわるいものには、なれっこになっていたのです。ですから、さっきチラッとのぞいたやつが、人間の死体でないことは、よくわかっていました。むろんさかなでもありません。なんだか、えたいのしれないものでした。いまにも、むこうの荷物のかげから、さっきのやつが、ヌーッとあらわれるのではないかとおもうと、ものなれた勇敢な潜水夫たちも、気味がわるくて、背中が、ぞくぞくしてきました。
しかし、その船倉の中には、べつにあやしいものも見えません。一方の壁に船倉からつぎの部屋へ行くドアが、ひらいたままになっています。そのむこうは、どうやら機関室らしいのです。
「ここへ、はいってみようか。」
「うん、よかろう。」
手まねで話しあって、ふたりはそのドアのむこうへ、ふみこんでいきました。
大きな蒸気機関が、よどんだ水の中に、しずまりかえっていました。機械の死がいというかんじです。機械でも動いているときは生きているのですから、それが死にたえたようにじっとしているのは、なんとなくぶきみなものです。