Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

「カブトムシです。おばけカブトムシが、この廊下へ、はいこんだのです。」

広田は、息をきらしています。

「どこに? 廊下には、なにもいないじゃないか。」

「ほかへ行くひまはありません。ぼくはすぐあとから、おっかけたのですから。みょうだなあ、たしかに、この廊下に、いるはずなんだが。そちらの茶の間のほうへは行かなかったでしょうね。」

「くるはずがないよ。わたしたちがいたんだからね。」

「すると、どこにも、にげみちはないはずですね。ふしぎだなあ。」

「おまえ、夢でも見たんじゃないのか。」

「いいえ、けっして、夢なんかじゃありません。」

広田はそこで、庭で見たことを、てみじかに話しました。

「広田さん、おとうさんの書斎のドアが、すこし、あいてるよ。あの中、見たの?」

壮一少年が、目ばやくそれに気づいて、遠くから声をかけました。

みんなの目がそのドアを見ました。たしかに、四センチか五センチひらいているのです。この廊下の、勉強部屋から、茶の間までのあいだには、右がわに主人の高橋さんの大きな書斎が一つあるきりで、左がわは、ずっと壁になっているのです。もし、怪物が、にげこんだとすれば、この書斎のドアのほかには、ないわけです。