Japanische Klassiker mit Furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme
となりの賢二君が、びっくりして、おとうさんの顔を見ますと、おとうさんは、うしろのクッションに頭をグッタリとよせかけて、かすかに、いびきをたてて、眠っているのでした。
「おとうさん、おとうさん。」
賢二君が、いくらゆり起こしても、目をさますようすがありません。なんだか変です。こんな場合に眠ってしまうなんて、日ごろのおとうさんらしくもありません。
「賢二君、いくらよんだって、おとうさんは、起きやしないよ。」
明智探偵が、いままでとは、ちがった、らんぼうなことばでいいました。
「なぜです。なぜ起きないのです。」
賢二君は、なんだかギョッとして、ききかえしました。
「葉巻きをのんだからさ。あの葉巻きにはね、麻酔薬が、しこんであったのだよ。ハハハハハ。」
「だれです? おじさんは、だれです?」
賢二君は、むちゅうになって、さけびました。
「わからんかね。賢二君、ほら、ちょっと、前を見てごらん。」
ぶきみな声に、おもわず、まえの運転席を見ました。
「あっ……。」
賢二君は、おそろしいさけび声をたてたかとおもうと、いきなり、眠っているおとうさんにしがみついて、そのひざに、顔をかくしてしまいました。