Japanische Klassiker mit Furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme
彼のつくる小説も勿論知っていた。小説家というものが意外にも物知らずなのには、むしろ驚いた風があった。
「そうして見ると、小説なんてものは、全然想像で書くものなのですか。そんなら高塀の中に閉籠っている人間でも、書いて書けない事はないのですなあ。」
大きな発見をしたように云って、彼を微笑させた。
塀の外の広い世間を敵と見ていたにも拘らず、いったん気を許した彼に対しては、子供の心を持って接して来るように思われた。塀の外へ足踏みしなかったため、片意地ではあっても、一面には人擦れていない美点があるのかもしれなかった。
「お隣の御主人いい方じゃありませんか、世間では鬼だとか何だとかいってるけれど。」
「そうさ。悪口をいう奴だって、一人一人あの人を知ってるわけではないんだ。因業なおやじのおかげで、不当ないじめ方をされてるのさ。それだって金さえ持っていなければ、ああまで憎まれもしないのだろうが、金があるからいけないんだよ。だからうちなんかが一番平和でいいんだ。」
「何いってるの。少し位憎まれたってお金のある方がいいわ。ほしいものも買えないくらしなんか鬼に喰われてしまえだ。