Japanische Klassiker mit Furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme
おかっぱの髪をふわりふわりさせながら、女の子は女らしく、裾の乱れを気にしながら、賢一のするままに、高い所から下へ飛び下りたり、又のぼったりしているのであった。呼吸器の弱そうな首の細い、色の白い、眼ばかり大きなこどもだった。
「お隣の子ねえ、学校に行かないんですって。」
「だってまだちいさいじゃあないか。」
「いいえ、あれで賢一と一歳違いですとさ。」
「へえ、七歳かい。ちいさいじゃあないか。おそ生れなんだろう。」
「ところがそうじゃあないんですって。お父さんが学校なんか行かなくたっていいって云うんですとさ。」
「どうしてだい。」
「どうしてですかねえ。なんだかお隣は気味の悪いうちじゃありませんか。」
「お母さんはいないのか。」
「なくなったらしいんですよ。可愛そうだから訊いても見ないけれど。」
「そういえば奉公人らしい者も見かけないなあ。」
「婆やが一人いるっきりですとさ、あんな広いうちなのに。掃除だけでも大変でしょうねえ。」
呑気者の妻も、多分の好奇心を持っていた。彼はもとより小説家に特有の観察好きから、もっと詳しい事を知りたく、想像をたくましくしていたが、一面甚しい不精から、積極的に他人の身辺の事を探る態度はとらなかった。