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Japanische Klassiker mit Furigana

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いさん

銀座復興 他三篇

水上 滝太郎

Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

」

妻もその女の子のメリンスのきものを、木の間を透かして見る時は、特別の興味で活気づくのであった。

町内のつきあいもなく、高い煉瓦塀の中にかくれて住んでいるような隣人について、引越して来て間のない彼等は多くの知識を持っていなかった。

馬鹿馬鹿しく高い塀の冷い感じが、最初から反感をそそったのは事実だった。だから、その塀の崩壊したのを見た時は、大地震の脅威の中でありながら、痛快に思った位だ。塀の中の人間は、自分達とは縁のない別世界の人として考えていた。それが今、境界の主たるものが取払われ、見透しにのぞく事になったのだから、何となく親しみの出て来た事は否めなかった。

子供には子供の誘惑が働いて、いつの間にか境界は自由に踏越えられていた。

「おい、どけよ、そこは箱根山なんだよ。地震が来ると谷底におっこっちゃうんだから、女なんて行くとこじゃあないんだよ。」

「いいのよ。ここあたしんちなのよ。」

「駄目だい。君んちはここだよ。そんな山の上にうちなんてあるもんか。」

のぞいて見ると、賢一が兄貴ぶって指図しているのに、従がったり、半分従がわなかったりして、隣の女の子が、崩れた塀を山に見たてたり、谷底に見たてたりして遊んでいた。