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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九) 全十冊

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

「糸だって撚をかけた逞ましい麻糸だ。それを腕と拳とにかけて輪がねたまま竜吉の枕許に置いてあった。その輪がねた糸を自分の首へ潜らせ、傍にあった火鉢から、鉄の火箸を二本抜いて、輪がねた凧糸に突っ込み、自分で四つ五つ捻っている。これなら誰でも死ねるでしょう、親分」

「火箸をどこへ突っ込んでいた。前か、後ろか、右か、左か」

「え――と、右ですよ。そのうえ凧糸へ水をフッかけて滑りを留めていたのは念入りでしょう」

「…………」

「動けない病人だが、よく工夫したものですね。可哀想に――」

「首に巻いた凧糸は、何本くらいになっていた」

「三四十本、――どうかしたら五六十本あったかも知れません」

八五郎の答えはひどく頼りないものでしたが、ともかくも少ない数でなかったことは確かです。

「ずいぶん変った死にようだが、どうも腑に落ちないことがあるよ」

「ヘエ?」

「それは何時のことだ」

「今日の昼少し前だったそうで。下女のお北が、昼の膳を持って行って見つけ、大変な騒ぎになったが、その時はもういけなかったそうですよ」

「外の者は?」

「丁稚の定吉は使いに行って留守、腹異いの姉のお専はお勝手に、その配偶の福之助は、階下の自分の部屋にいたそうです。