Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九) 全十冊
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme
「どっちが言ったんだ」
「あっしの方で、お天気はよしお小遣はふんだんにあるし」
「昨日百二三十文しかなかったじゃないか」
「気味が悪いなア、親分。あっしの懐ろをいつの間に読んだんで?」
「間抜けだなア、酔って帰るとき、敷居際で江戸一番の野暮な財布を落すと、中身は皆んな縁側に飛び出したじゃないか」
「あ、そうそう」
「俺は一日いっぱいお前を待っていたんだぜ、――万一だよ、朝倉屋の倅の倉吉が右利きだったり、浪人者の立花という人の娘お妙さんが、昨日から今日へかけて様子が変だったり、竜吉の枕許に水がなかったりしたら、気の毒だが、竜吉は自害したのではなくて、人に殺されたのだよ」
「あ、そのとおりです、親分」
「なんだと」
「竜吉は右利きで、枕許には水がなかったし、立花さんの娘お妙さんには、竜吉が死んだことを誰も知らせないはずなのに、昨日の昼頃から、ひどい沈みようで、誰が話しかけても口をきかず、それから物も食わないそうですよ」
「八、こいつは厄介なことになったらしいよ。お前じゃ少し心細い。湯島の吉を誘って、仕事の途中で呑み歩くような心掛けじゃ」
「ヘエ、相済みません」
「明日は螢沢まで俺が行ってみよう」