Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九) 全十冊
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme
娘お妙が、床の上で羽子をついたというのは、あの白々とした窓でしょう。今日は障子が締って、なんにも見せてはくれません。
「八、下女のお北というのを呼んでくれないか」
八五郎は、あたふたと階下へ降りましたが、まもなく四十五六の着実そうな中年女をつれて戻って来ました。
「私は北と申しますが、なんか御用で――」
慇懃な態度はひどく粗朴ですが、平次の巧みな質問に引出されて、自分の在所は目黒、ここには、七八年奉公していること、御主人三五兵衛は結構な人だが、養子の福之助は道楽者の癖にしみっ垂れで高慢で、まことに仕えにくいこと、御新造のお専は悧巧そうな馬鹿で、きりょうは相当以上だが亭主の言いなり放題になること、死んだ坊っちゃんの竜吉は、身体が弱かったが良い人で、立花様のお嬢様と、想い想われている仲を、生きている内は一緒にもなれず、親しく口をきく折もなかったことを、そればかりは可哀想と、この四十過ぎの女は本当に泣くのです。
竜吉の死んだのを発見した時の驚き、それも八五郎が報告してくれたほかにはなんにもなく、丁稚の定吉は賢こい子だが、人摺れがして少し悪賢こくはないか――などと言い添えます。