Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかにっき
青べか日記
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか日記 (あおべかにっき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.334 Zeichen · 76 Bildschirme
で馳走してくれた。うまかった。何も考えなかった。今は午前三時である。寝る。(一、二三)
今日は良い凪だった。「巨勢教授」十六枚書いた。天ぷらで酒を呑んだ。よい月夜である。午後から当代島へ行ってスケッチした。明日もよい凪だろう、直ぐ寝る。地の上に恵みあれ。(一、二四)
今日は終日強風、寒かった。「巨勢教授」二十枚書いた。明日是を博文館へ持って行く、幸運があるように。静子よ我が運命は明日で定まるだろう。何も考えなかった。金という奴は実に人生を愚劣にするものだ。高梨は大変に親切にして呉れる、恩人の一人だ。此の四五日程、真剣な「生」に面接したことはない。明日の運が予に幸いするにまれせぬにまれ此の一月間の貧乏は、全く予にとって新しい境地の開拓であった。予は人生のどん底の貧を嘗めた。予は今は本当に大地に根を下ろしている。予は今程自身を無力に、然も最大の強さに見ることはないだろう。予は何ものをも歓んで迎えよう、予には最も大きな「恁の為事」がある、何だって予を挫くことは出来はしない。さらば、賽は投げられた。(二五)
賽は予の運命を窮まらしめた。従って予の運命は新しき土地に鍬を下ろさざるを得ざらしめている、予は北海道へ落つべきか、平凡に東京で落着くべきか未だ決定していない。