Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかにっき
青べか日記
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか日記 (あおべかにっき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.334 Zeichen · 76 Bildschirme
(一七)
「弘高」第四景は骨が折れた。今日は為事をした。第四場を書き上げ、第五場を書き上げた。久し振りに天ぷらで酒を呑んだ。今は十二時である、これから夜食のうどんを執って第六場法隆寺金堂の場面にかかる。雨後の明月で佳き静夜だ、静かな西風が吹いている、葛西村の灯は月明で瑠璃色に輝く川の上にちらちらと揺れていた。さあ、元気を出してかかるぞ。労れるまで。労れるまで。――そして又書く。二五八九、二、一八、午後十二時。うどんを煮る鮒の汁の煮沸る音をききつつ。(月は三時ちょっと前に落ちた)。
「弘高」第六場が終った、骨が折れた。五枚ばかり破いて書き直さねばならなかった。今は午前五時過ぎである、風が出てひどく冷える。今度は「第七場」金堂の場だが寝るとしよう。
今日は三場三十数枚を書いた。これから高梨を訪ね、酒をのんでねる。平安我が上にあれよ。二五八九、二、一九、午前五時十分。
いま東の空は暁の光に染められている。五時三十分。味醂干で酒をうまく呑んだ、今は六時半である。さて寝よう。静子よよき夢を私に送っておくれ。二五八九、二、一九。午前六時十五分。今は全く明けている。