Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
堂々と出て行きましょうよ」
「うん、荷物のことも、たのむ」
ところがマダムは話をきくと打って変って、好機嫌、二つ返事、折かえし挨拶にきて、
「おくにへ御かえりですってね。お名残おしいわ。御上京の折は忘れず寄ってちょうだい。銀座へんから電話で誘って下すっても、駈けつけるわ。真夜中に叩き起して下すってもよろしいわ。今日はお名残りの宴会やりましょう」
「でも、もう、汽車にのらなきゃいけないから」
「あら、小田原ぐらい、何時の汽車でもよろしいじゃないの。じゃア先生お料理はありませんけどお酒はありますから、ちょっと飲んでらして」
「暗くならないうちに着かなきゃいけないから」
「あら御自分のうちのくせに。ねえ奥様。そんなに邪険になさるなんて、ひどいわ。奥様、一時間ぐらい、よろしいでしょう。先生をおかりしてよ。奥様は荷物の整理やらなさるのでしょう。ほんとに先生たら、水くさい方ね」
庄吉はマダムの部屋へ招じられて、もてなしをうける。荷物の整理などもうできてるから残念無念の一時間、
「もう時間だわ、行きましょう」
「あら、今、料理がとどいたばかりよ、これからよ、ねえ、先生」
その言葉に目もくれず、もうマッカ、酔眼モーローたる宿六の腕をつかんで、