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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

ものの小説ばかりが生まれてくる。

庄吉は近代作家の鬼の目、即物性、現実的な眼識があるから、もとより這般の真相は感じもし、知ってもいた。そのくせ時代の通念がその自覚に信念を与えてくれず、自信がなくて、彼は徒らに趣味的な文人墨客的気質の方に偏執し、真実の自我、文学の真相を自信をもって知り得ない。

だから金が欲しくてたまらなくとも、通俗雑誌には書かないとか、雑文を書いちゃいけないとか、注文をつけてきたからイヤだとか、まことの思いとウラハラなことを言って、徒らに空虚に純粋ぶる。

東都第一流の大新聞から連載小説の依頼を受けて、燃え上るごとくに心が励んだけれども、子供の学校のこと、女房のこと、オフクロの顔を見てたんじゃ心が落付かないんだ、下らぬ文人気風の幻影的習性に身を入れて下らなく消耗し、ともかく小田原の待合の一室を借りて日本流行大作家御執筆の体裁だけととのえたが、この小説が新聞にのり金がはいるのが四、五ヶ月さきのこと、出来が悪くて掲載できないなどと云ったらこの待合の支払いを如何にせん、そんなことばかり考えて、実際の小説の方はただ徒らに苦吟、遅々として進まない。