Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
バスの車掌をしていたが、おツリの出し入れが面倒くさくてやめてしまったのだそうで、道を歩きながら車掌のマネをしてみせて、次は何々でございます、ストップねがいます、大きな声、往来の人々がビックリふりむいて顔を見るのを気にかける様子もない。
私達は足掛け八日旅行した。たしか八日だったと思う。八日帰りがなんとか言ったが、金がなくなってしまったので、女が大いにケンヤクを主張して安温泉を廻って歩き、ヒルメシはカツドンばかり食わされた。私がおかしくて仕方がなかったのは、この女は人の顔の品定めなどテンからやらぬたちなのだが、バスに乗った時に限って女車掌の品定めをして、あら、あの子、凄いシャンだ、と言う。一向にシャンでもないから、君の会社はよっぽどデブばかり揃ってたんだな、と笑うと、この時ばかりはいささかてれて、ウームと一と唸り、メーデーだか何だかに赤旗かつぐのが羨しくてバスの車掌になったのだけれども、共産党になれと言われて、閉口したのだそうである。まったくこの女はオッチョコチョイで、出鱈目だったが、共産党の地下運動にはカブトをぬぐ性質に相違なく、五十銭寄附したけれども、あとは降参、逃げだしたと言っていた。