Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
中途半端な混乱は中途半端なモラルしか生みだせない。大混乱は大秩序に近づく道で、そして私は最大の混乱から建設までに決して過去の歴史の無意志の流れのような空虚な長い時間は必要でない、と信じることができたからであった。
それにしても、これほど万事につけて我利我利の私慾、自分の都合ばかり考えるようになりながら、この真の暗闇の中で泥棒だのオイハギの殆どないのは、どういうわけだろう、私の関心の最大のこと、むしろ私の驚異がそれであった。最低生活とは云え、みんなともかく食えるということが、この平静な秩序を生んでいるのだと思わざるを得なかった。又、金を盗んでも、遊びというものがないから、泥棒の要もないのだ。
働く者はみんな食える、貧乏はない、ということは此の如く死の如く馬鹿阿呆の如く平穏であることを銘記する必要がある。人間の幸福はそんなところにはない。泥棒し、人殺しをしても欲しいものが存在するところに人間の真実の生活があるのだ。
戦争中の日本人は最も平和な、恐らく日本二千何百年かの歴史のうちで最も平穏な日本人であった。必ず食うことができ、すべての者が働いて金を得ることができ、そして、たった一人のオイハギすらもいなかった。