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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

正義、正義。私は蒲団をかぶって、ひとすじの涙をぬぐう夜もあった。

私の女はいたわりの心の深い女であるから、よるべないアキの長々の滞在にも表面にさしたる不快も厭やがらせも見せなかった。然し、その復讐は執拗だった。アキの面前で私に特別たわむれた。アキは平然たるものだった。苦笑すらもしなかった。

アキは毎日淋病の病院へ通った。それから汽車に乗って田舎の都市のダンスホールへ男を探しに行った。男は却々見つからなかった。夜更けにむなしく帰ってきて冷めたい寝床へもぐりこむ。病院の医者をダンスホールへ誘ったが、応じないので、病院通いもやめてしまった。医者にふられちゃったわ、とチャラチャラ笑った。その金属質な笑い方は爽やかだったが、夜更にむなしく戻ってきて一人の寝床へもぐりこむ姿には、老婆のような薄汚い疲れがあった。何一つ情慾をそそる色気がなかった。私はむしろ我が目を疑った。一人の寝床へもぐりこむ女の姿というものは、こんなに色気のないものだろうか。蒲団を持ちあげて足からからだをもぐらして行く泥くさい女の姿に、私は思いがけない人の子の宿命の哀れを感じた。

アキの品物は一つ一つ失くなった。