Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
でも、プルウストの好きな献立の半分ぐらい料理の名前や原料に知らない言葉がでてきたので、此奴面倒と飛ばしてしまった。無責任なことをしたもので、僕の飜訳を読んだ人はプルウストという男は随分皿数の少い宴会をひらく奴だと思いこんだであろう。ヴァレリイの「ヴァリエテ」などの幾つかもこうして飜訳したものだから、分らぬところはみんな抜かす、結局あの晦渋な原文が、僕の手にかかると明快至極なものになり、原文を知らない人々が讃嘆したものであるが、分らぬ所を抜くのだから明快流麗、無茶な話であった。飜訳をほめられる度に困った思いをしたものである。
いったい徹夜というものは壮年健康な時ほど疲労が劇しいようである。近頃は徹夜をしてもさのみ疲れを覚えず徹夜を生活の一部分に心得てしまっているが、あの頃の疲労はひどかった。事実本を一冊訳しあげるようなワキ目もふらぬ緊張のせいもあったであろうが、顔に表れる憔悴が顕著で、目はくぼみ、顔全体が脂でギラギラ皺だらけで黄色であった。ウサギ屋のモナカを食い濃い珈琲をよく呑んだ。そうして朝は大概カレーライスの食卓だったことを忘れない。食慾などは殆どなかった記憶である。