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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

僕は徹夜を呪った。葛巻がすねはじめると、僕は怒気満々、食ってかかる勢いで口論になるのであったが、葛巻は女性のように柔和な病弱にも拘らず、自説の執着に至っては話の外で、おだやかな言い方と、弱々しい微笑と、持って廻った表現で、最後の最後まで食いさがる。結局僕の根負けであった。尤も、葛巻の主張の方に多くの道理があったのだろう。なぜなら僕らの原稿が下らないという彼の説は正しかったし、彼の野心に邪念が少い。というのは、彼は有名な文士になりたいなどとは考えず、良い雑誌をだしたいということを専一に考えていた。彼はある令嬢を熱愛して、それが生活のほぼ全部であり、そのほかにも別の希いがあるとすれば、三、四の名流婦人に好かれたいという名家の少年らしい願望であった。良い雑誌はいわば彼の身だしなみの一つであり、どうしても「良い」雑誌でなければならぬ。下らぬ原稿があっては困る。彼の気風心事は王朝さながら、之に対する僕の心事に至っては粗放蕪雑、野武士の心事の如くである。天下に名を為したいということだけで目がくらみ、自家の菲才浅学の如きを恬として念頭におきたがらぬ。この家の自殺したあるじに本能的な敵意を懐いてしまったのも、たまたまあるじの書斎を本拠としたために世人の買い被りを受けたような風説となり、あたら槍一筋の手柄に傷をつけては