Japanische Klassiker mit Furigana
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まほうにんぎょう
魔法人形/サーカスの怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 魔法人形/サーカスの怪人 (まほうにんぎょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 148.224 Zeichen · 297 Bildschirme
ふつうのサーカスの三ばいもあるような、広いテントの中は、むし暑いほどの満員の見物でした。見物席は板をはった上にござをしいて、見物はその上にすわっているのですが、正面の見物席のうしろの一だん高くなったところに、幕でかこった特別席が、ずっとならんでいます。ひとつのしきりに、六人ずつかけられるようになっていて、そういうしきりが、十いくつもならんでいるのです。
その特別席の前には、すわっている見物のあたまが、ずっと、まんなかの演技場まで、いっぱいならんでいるのです。特別席の中ほどのすぐ前のところに、おとうさんと、おかあさんにつれられた、ひとりの小学生がすわっていました。五年生か六年生ぐらいの少年です。
その少年が、ふと、うしろをふりむきました。見物はみんな演技場のほうを、むちゅうになって見つめているのに、この少年だけが、なぜか、ひょいとうしろを見たのです。
天井も、左右も、幕でしきられた箱のような特別席が、ずっとならんでいます。どの席にも五、六人の男や女の顔がかさなりあっていましたが、まんなかへんの、ひとつのしきりには、まるで歯のぬけたように、がらんとして、だれもいないのです。