Japanische Klassiker mit Furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 魔術師 (まじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.264 Zeichen · 280 Bildschirme
君にかかっちゃ、僕のいたずらなどは子供だましさ」
明智はこのお芝居が面白くてたまらぬという調子で、ニコニコ笑いながら、手にしていたピストルをポイと床の上へ抛り出した。
賊の手下が、素早くそれを拾い上げて、ポケットに入れた。
「オイオイ、そんなもの、大切相にしまい込んでどうするんだね。そいつは、君達の手品の楽屋で拾って来た、おもちゃのピストルだよ」
若者はそれを聞くと、一寸たじろいだが、何食わぬ顔で、
「手品の小道具がなくなっちゃ、明日から興行が出来ないからね」
とへらず口を叩いた。
「ところで、我々の勝負だが、この場の形勢は一体どちらに勝目があると思うね。君も満更ら馬鹿ではないのだから、その位の目先は利く筈だが」
明智は手下などは相手にせず、賊の首領に向きなおって、大胆不敵の応対を始めた。
「俺の方には武器がある。人質もある。だが君の方は空手だ」
賊が大様に答えた。
「この家をとり巻いている警官達を忘れた様だね」
「その連中が這入って来るまでには、妙子が死んでしまう。この娘の命と引換えなら、悪くない取引きだよ」
「ハハハハハ、嘘を云っても駄目だ。ホラ、君の顔はそんなに青いじゃないか。