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Japanische Klassiker mit Furigana

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まじゅつし

魔術師

江戸川 乱歩

Lesen Sie 魔術師 (まじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.264 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女は、肉体の線があらわに見える様な、絹の春服を身に纒い、顔にも手にも、念入りのお化粧を施していた。

「あたし、おそくなってしまって。お待たせしましたでしょうか」

彼女は薄絹の手袋をぬぎながら、あでやかに笑って見せた。

明智は外套を脱がせてやる為に、うしろに廻らねばならなかった。

「お待ちしていました。兄さん達のお加減は如何ですか」

「エエ、有難う。まだ起きられませんけど、大分いい様ですの。本当に御心配をかけまして」

妙子はソファに腰かけながら、まだ外套を手にして立っている明智を、艶かしく見上げた。読者も知っている通り、彼女は明智を愛していた。彼の方で避ける程、追いすがって来る様に見えるのだ。

明智は妙子のソファと向き合った長椅子に身を沈めた。

妙子はお礼やら、父を失った悲しみやら、えたいの知れぬ犯人の恐れやら、女らしくクドクドと話し続ける。

いつまで待っても、用件が分らぬので、明智はとうとうしびれを切らして、ぶっきら棒に尋ねた。

「で、ご用件は?」

妙子は「マア!」という表情で、やさしく睨んで見せたが、

「外の用件がある筈はございませんわ。父を殺した犯人を探し出して頂き度いのです。