Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

「やあ、眼八」

と、朝機嫌のいい声を出して、

「ばかに早いな、何かあるのか」

と、竹箒を肩に立てかけた。

「ウム、ちょっと」

「相変らず隼だな、いずれ大物だろう」

「そうでもないが」

「町同心の田宮様ならば、もうあちらに詰めておいでになる、取次いでやろうか」

「田宮さんじゃ、少し相談相手にならねエことなんだが、お奉行はまだ――」

「まだお住居のほうだろうよ」

「折り入って眼八が申し上げたいことがあって起き抜けにまいりましたと、ひとつ、取次いでみてくれないか」

「いいとも」と、菖蒲革のほうが、役宅の横を廻って、塀つづきの角兵衛の住居のほうへ様子を見に行った。

待っている間、眼八と折助は、何かの話の末に思いだして、

「そういやあ、森の屋敷の宅助はどうしたろう?」

と、眼八からいいだした。

「あいつにこまごまと積もって、十両ばかりの貸しがあるンだが」

「借金で首が廻らないところから、出先で随徳寺をきめてしまったンじゃあないか」

「だが、主人の啓之助も、まだ御城下には帰っていないらしい」

「噂によると、何かマズいことがあって、大阪表でお扶持放れとなったそうだ」

「ヘエ、森啓之助が?」