Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme
「何しろ大事になったもんです」と、もったいをつけた。
そうした後で、眼八は、事実の細要より自分の功を誇り顔に、弦之丞とお綱の行動を手にとるように話した。
その生死すら疑惑にしていた四人は、聞くにつれて開いた口がふさがらない。のみならず眼八の言によると、お綱と弦之丞のふたりは、星越とこの山の中間にあたる廃寺からのがれだして、遂に剣山の樹海のような森林へ影を隠してしまったということである。
「で、なんでござんす」と、眼八は話の筋にひと区切つけて――「あっしは同心方と別れて、ひと足先に間道を登り、やつらの道に網を張っておりましたが、なにしろこの通りな深山幽谷、町の捕物みたいなわけにゃ行きません。それにご承知のとおり土佐境から海部方面は、道が嶮しい代りに、目付役所もなく、山番も手薄なので、案外楽に来られるということを実地に踏んできましたから、こりゃあいけねえと、急に泡をくッて考えなおし、これから、原士衆の詰めている麓の木戸へ行って、この大変をお報らせしようと存じ、急いで、平家の馬場から降りてきたところでございます」
ひと息にいって、汗光りの赭ら顔を手拭で拭き廻った。