Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme
その刹那だった。
突然、洞窟の口元にあたって、天堂一角がただならぬ絶叫と共に、地ひびきをさせてぶっ仆れ、山つなみでも来たように――。
「お十夜ッ、早く手を貸せ、一大事だ! 三位卿があぶない、周馬もッ」
「やッ、ど、どうしたって※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「助剣しろ、早く! 法月弦之丞とお綱が来たッ――、法月ッ――うう……ム」
と、乱脈な声がすれ、すでに、そういう一角が、どこかへ一太刀浴びせつけられているらしかった。
ふた声ほど絶叫して、天堂一角は岩牢の外へ仆れてしまった。
孫兵衛は足もとの大地がめりこむような響きにうたれた。かれの眼は頭巾の蔭にあわてきった輝きをうごかせた。そうして、思わずつかんでいた者の襟もとを離して、
「くそうッ! 弦之丞などに」
と、洞窟の奥から走り出ようとしたが、また思いなおして、どうせのこと、世阿弥を殺してから行こうと、戻りかけると、世阿弥は発作的に、突然、居どころから飛びあがった。
とがった肩骨がかれの胸を打った。上へ刀を振りかぶれる空間があれば、据物斬り、ただ一揮に割りつけること、孫兵衛の手になんの苦もないことだろうが、見当のつかない暗闇。