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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、後ろ姿を並べ、向う側へ斜めに歩いて行ったかと思うと、また足を止めて、立慶河岸の埋立辺にたたずみ、まだほかの連れでも待っているようなふうであった。

「いけすかない、ニキビ侍だよ」

首を引っこめるとすぐに、お品は吹きだして、側に寝転んでいる朋輩の女へ、

「なんて怖い眼をするんだろう、水ぐらいかかっても、ハラハラする程なお召物じゃあるまいし」

「だって、お前さんが悪いんじゃないか」

「色町の軒下に立って、不景気な顔をしているほうがよッぽど間抜けさ」

「おや、相手が行ってしまってから、とんでもない鼻ッ張だ」

「なに、まだ向うの川縁に立っているんだよ、土左衛門でも待っているように」

「どれ」

寝転んでいたほうもムクムク起きて、腹匍いのまま櫺子へ顔を乗せたものだ。これだから女の巣を食う町に無用な顔はして立ち止まれない。

「ね、どっちもギスギスした侍だろう」

とお品が今の鬱憤に、朋輩の共鳴を求めると、獄門首のように櫺子へ顎を乗ッけた顔は、見当違いなほうへ眼をすえて、

「あら。品ちゃん」と、袂を引ッ張った。

「ごらんよ、向うから来るのは、お十夜さんじゃない」

昼中にお月様でも見つけたような声を出したので、ひょいとそのほうを見ると、なるほど、去年の春から夏の初め頃は、甲比丹の三次とともに、この界隈によく姿を見せた孫兵衛が、きまじめ