Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

途端に。

下へ駈けよった虚無僧の手が、

「待てッ、旅川!」

と、次の片足をつかんだのと、かれが夢中で、椋の枝から手を放したのと一緒だった。

足をつかまれて、土塀の上にしがみついた周馬。

「うぬッ」

抜き落しに、一刀、下の影をサッと薙ぐと、その勢いと、放された不意とで、ドンと土塀の向うがわへ、もんどりうって転げ落ちた。

「お綱ッ――」

という声を頭上で聞いた。

腰をなでている間もない周馬、夢中で走ったかと思うと、また突然、雑木の窪地へドドドドッとすべりこむ。

椋の木の上には、天蓋の虚無僧、すぐその後に、手をのばして叫んでいる。

「お綱ッ、拙者につかまれ!」

「はい」

「手を、手を」

上から引きあげて、枝づたい、土塀へ移るやいな、ふたつの影、ヒラリと外側の闇へとび降りた。

「あ痛ッ……」

塀を越えたはずみに弦之丞、右の肩を椋の枝にはねられて、まだ癒えきらぬ鉄砲傷、抱きしめてキッと唇を噛んだ。

「あ……またそこのお痛みが」

ふと、お綱の声であった。吾にもあらず寄りつくのを、振りもぐようにして眸は先に、

「いや、気づかうなッ」と鋭く――「それよりはあの秘帖を! 秘帖を! ウヌ、旅川周馬ずれに」