Clásicos japoneses con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lee 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 566.138 caracteres · 1127 pantallas
大衆
一
弟子僧たちがいたわると、
「なんの」と、首を振られるばかりであった。
範宴は、おくれがちであった。雪が、雪の中をころがって行くように、峰を這った、谷道を越えた。性善坊は、後ろについて、
「もうすこしです」と励ました。
「大丈夫」と、範宴はいう。
幾たびか、ころぶので、竹の杖をにぎっている指の間から血が出ていた。
それでも、
「大丈夫」と、いうのである。
なんという意志の強さだろう、強情さであろう、負けん気であろう、そして、熱情だろう――と性善坊は、小さい範宴のうしろで、ひそかに思った。
やはり、この和子の五体には、義家からの母御の血――義経、頼朝と同じな、源家の武士の脈搏がつよく搏っているらしい。
境遇と、生い立ちの置き所によれば、この少年もまた、平家に弓をひく陣頭の一将となっていたかもわからない。
「御仏が、それを救うてくださるのだ。有縁の山だ」と、彼は踏みしめる雪に感激をおぼえた。
大衆
一
夜がすみ、朝がすみ――叡山の春秋はしずかだった。
宙のなかに無辺のすがたを浮かべている虚のようであった。
永い冬が過ぎる。そしてやがて春ともなると、木の芽時のほの赤い樹々のあいだに、白くみえるのは、残雪ではない。