Clásicos japoneses con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lee 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 566.138 caracteres · 1127 pantallas
六
「仲を直してはどうじゃ」
「私は、可愛いくって、しかたがないくらいなんだが、ご覧のとおりな……」女は、眸から針を放って、
「嘘をおつきッ」
六
女がさらに血相を持ち直して、甲だかく猛りかけると、その時、門の戸を開けて、
「娘、われはまた、ここへ来ていくさるのか」誰やら、老人らしい声がした。
その声を聞くと、萱乃は、びくりとして、
「あっ、お父さん」水を浴びたように、今までの狂態を醒まし、にわかに、穴へでも入りたいように、居竦んでしまう。
烏帽子師の国助も、面目なげにうろうろとしていた。するともう案内もなく上がって来た萱乃の父なる人は、厳つい顔を硬ばらしてそこに突っ立ちながら、若い男女を見下ろして、さも忌々しげに、
「恥さらしめっ」と、唾でも吐きかけたいように睨めつけた。
宇治の郷士でもあろうか、粗末な野太刀を佩いた老人だった。
「さ、家へこい、家へ帰れ。こんな怠け者の職人と、痴話狂いをさせようとて、親は、子を育てはせぬぞ。不届き者め」
萱乃の襟がみをつかんで、叱りながら、引っ立てると、
「嫌です、嫌です」娘は、筵へしがみ伏して、
「――家へは帰りません」と必死でいった。