Clásicos japoneses con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lee 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 566.138 caracteres · 1127 pantallas
「さ……そういう噂を世間でちらと耳にしたので、万一の事でもあってはと、昔なじみの誼みで、この西仏が胸を打ち割って存分なこと認めてやったのだが……あの利かぬ気の四郎高綱、手紙を見て立腹し、引き裂いてしもうたかも知れんな」
「――いや、烈しい一徹ではあるが、心の底には情誼にふかい所もある弟――というと弟自慢になるが、旧友の気もちが分らぬような男ではない」
「では、何かの都合で、返事を忘れてござるのかな」
「書けんのじゃろう、気持を偽われない質なので。……だが、何事もなくてくれればよいが」わるいことをいい出したと西仏は軽く悔いた。弟思いの光実は、うつ向いて、遠く弟四郎高綱の児島の城を案じているらしい。六十歳になっても、骨肉の情愛はすこしも幼少の時と変っていなかった。
「……さ、温まったぞ、もう一杯過ごさぬか」
もう秋くさが秋風の戸を撫でて戸外は雨かのような虫の声だった。
蛆
一
南海の潮は鯖の背のようにぎらぎら青かった。――時はまだ夏の初めだった。
備前児島の城の本丸。
城主の佐々木四郎高綱は、兄の盛綱よりも武者としては勇武があった、髪もまだ白くはない、骨ぶしもまだ強弓を引くに耐える、それだけに満ち溢るる覇気もあった。