Clásicos japoneses con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lee 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 232.193 caracteres · 463 pantallas
すると誰か、将門将門と、うしろで呼ぶ者がある。振り返ってみると、忍ぶ草を摺った薄色の狩衣に、太刀を横たえ、頭巾をかぶり、さらに頭巾の上から大笠をかぶっている旅人であった。
近づき合って、やっと分った。それは、八坂の不死人である。
「おう。……いつ、どうして、都へ」
「わぬしが、上洛と聞いて、あとを追って来たのだ。ところが、旅舎がわからない。靫負庁で聞いて、やっと知れ、これから不意に驚かしてやろうと思って、訪ねて来たところだ」
「そうか。……もう、都を歩いていても、かまわぬのか」
「かまわぬかとは」
「逮捕の令をうけて、世をしのんでいる身ではないのか。白昼、しかも、靫負庁へ、自分で行くとは」
「はははは。人のうわさも、幾日とかだよ。南海の海賊騒ぎで、それどころか、検非違使も、兵部省も、手いっぱいだ。彼らはとっくに、わすれておる。もうあの頃の事は、時効というものさ」
不死人は、いつも不死人である。変らないし、また、相かわらず、官を官と思っていないし、人を人とも、思っていない口吻である。
「旅舎へ行くか。どこか、ほかで飲むか」
「明日は、国へ立つつもりだ。とかく用事もあるから」