Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lee 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 232.193 caracteres · 463 pantallas

Aozora Bunko

訴訟文

狂いだした火は果てもなくひろまってゆく。

四隣の噂もようやくこの戦闘にもちきって、一波は万波、あっちも、こっちも、物騒な動揺が兆し始めた。

――と。その頃、赤城山の裾から遠くない阿蘇ノ庄田沼に、東山道の駅路を扼して、館、砦をかまえ、はるかに、坂東の野にあがる戦塵を、冷ややかに見ていた老土豪がある。

この地方の押領使、田原藤太秀郷である。

訴訟文

その頃、坂東地方から京都への往還には、東海道と東山道の二道が動脈となっていた。

東山道は、碓氷を越えて、信濃高原を経て、木曾路へ出るのである。もちろんこの方が日数はかかるが、右馬允貞盛は、途中、訪うべき人もあったので、こんどの帰洛には、東山道をえらんだ。

「折よく、いて下さればよいがな」

貞盛は馬の上から、供の郎従たちへ、何度もいった。

「いや、おられましょうとも。通る駅路で訊いてみても、近頃は田沼の館にひき籠ったきりで、めったに、お旅立ちなど見かけないそうですから」

供のひとり、貞盛の侍臣牛浜忠太がそう答える。

一行は主従十二名、騎馬は貞盛と忠太だけで、ほかは徒歩だった。いや、もう一人、進物の荷を積んだ馬一頭を、小舎人が手綱で曳いて行く。