Clásicos japoneses con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lee 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 566.138 caracteres · 1127 pantallas
「あっ、痛っ」顔を抑えて振りかえった亭主は、そこに立っている野武士の顔を仰いで、
「おぬしは、隣に泊っているお客じゃないか」
「さよう」
「なにをさらすのじゃ、なんでわしを、撲ったか」
「やかましい」野武士ていの男は、逞しい腕を亭主の襟がみへ伸ばしたかと思うと、蝗でも抓んで捨てるように、
「おととい来い」吊り上げて、その弱腰を蹴とばした。
「わっ」亭主は、外へもんどり打って、霜解けのぬかるみへ突っ込んだ泥の手で、
「おれを。……畜生っ、おれをよくも」むしゃぶりついてくる手を払って、野武士ていの男は、その鷹のように底光りのする眼でつよく睨みつけた。
「さっきから隣でだまって聞いていれば、慈悲も情けもない云い草、もういっぺん吐ざいてみろ」
「貸しを取るのが、なぜわるい。おれたちに、飢え死にしろというのかい」
「だまれ、誰が、汝らの貸しを倒すといったか。さもしい奴だ、それっ、俺が立て替えておいてやるから持ってゆけ。その代りに、病人のほうも、俺のほうも、客らしく鄭重にあつかわないと承知せぬぞ。……何をふるえているのだ、手を出せ」と野武士ていの男は、ふところから金入れを出して、まだ疑っている亭主の目先へ、金をつきつけた。