Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lee 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 566.138 caracteres · 1127 pantallas

Aozora Bunko

「何やら、面映ゆうなった」

「まあ……何の面映ゆいことがございましょう、お内輪の方ばかりですのに」

「でも……」

龕のうえから、白い花びらが一ひら蛾のように舞って、姫の黒髪にとまった。万野が手をのばす前に、姫は自身の手でそれをとって、指の先で、弄びながら、

「私が、ご挨拶に出ないでもいいのでしょう。お父君から、ようく、お礼をいってくださるから」

「そんなことはなりません」万野は、姫が、いつものわがままを出して、駄々をこねるのであろうとばかり受け取っていたので、ややうろたえた。

「さ……参りましょう。なんで、こよいに限って、そんなにお羞恥み遊ばすのですか」

「羞恥むわけではないけれど……」

「では、よいではございませぬか」手を引くようにして、万野と姫とが、客殿のほうへ近づいてゆくと、眼ばやく、叔父の僧正が、

「見えられたな、さあ、ここへこい、わしのそばへ」と、さしまねく。

僧正の眼には玉日姫が、いつまでたっても、無邪気な少女としか見えなかった。今になっても、時々範宴を子ども扱いするように、玉日をも、幼子のままに見て、膝の上へでも乗せそうに呼ぶのであった。

三

僧正が戯れでもいわなければ誰も座を和らげる者はなかった。