Clásicos japoneses con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lee 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 566.138 caracteres · 1127 pantallas
年景が気づかずに、
「出て行かんかっ」と、身を起たせて、足蹴の形を示すとまた、
「――出て行かんかっ」と、谺のように、樹のうえから同じ声がした。
「……や、どいつじゃ」縁へ出て、年景がこずえを仰ぐと、老人か子供か、見当のつかない顔した怪異な小男が、葉陰に白い歯を剥いてわらっていた。
四
その侏儒は、京都から雇ってきた蜘蛛太とよぶ男で、庭掃除の小者として使っていたが、側女の山吹とのあいだに、おかしな噂があったので、年景が怒って、先ごろ、牢へ押し籠めてしまった者である。その蜘蛛太が? ――
年景は、驚いた。アッと顔を上げたまましばらくは眼を奪われていた。どうして、牢内から出てきたのか。猿みたいに、樹の上にあがって、こっちを見ているのだ。自分を嘲笑うように歯を剥いている。
「おのれっ」年景は、縁板を踏み鳴らし、
「化け物っ、降りろッ」――すると蜘蛛太は、
「化け物っ、眼をさませ」と口真似して、
「やい代官」
「な、なんじゃと」
「使われているうちは主人と敬め奉っていたが、もうこうなれば、主でもねえ下僕でもねえ、おれはむかしの天城四郎の手下になってみせるぞ」
「やっ、おのれは、賊か」