Clásicos japoneses con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lee 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 566.138 caracteres · 1127 pantallas
草の月
一
と断って、村の男たちが三、四人来て、配所の家のまわりの夏草を刈り初めた。
一人はまた、いつ見ておいたのか、上人の居室の窓に西陽があたるので、そこへ高い垣を結って、糸瓜の苗を植えようかなどと話している。
親鸞は、縁へ出てきた。一同のほうへ向って、彼は仏陀に礼拝するのと同じように、おごそかな礼儀を施して、
「みなの衆、ちと待ってくだされ、お心のほどは辱けないが、親鸞は勅勘の流人、この家は罪を慎む配所でござる。されば、冬は寒いがよく、夏は暑くてこそ、流人の糾明になりまする。人なみに夏草を刈って、すずやかに朝夕を楽しんではなりませぬ。――朝命に反きまする、どうぞ、さようなことはせずにおいてくだされい」
「なんの、お上人様は、あまりにご遠慮ぶかい、草ぐらい刈ったとて」
「いや、そうでない、よしお上でお咎めなくとも、親鸞の心が苦しみます。――また、そもそも人間は、家の中に棲むものか、心のうちに棲むものか、それを思うて御覧ぜられい。親鸞は常に心のうちに住んでおるゆえ、心のうちの雑草は刈ろうと思うが、家のまわりの草などはどうでもよいのじゃ」
「ほほおもしろいことを仰っしゃる。