Clásicos japoneses con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lee 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 232.193 caracteres · 463 pantallas
「ものいいは、荒っぽいが、おもしろいお人だろう。あれでも、都では、五位蔵人という立派な朝臣の御次男なのだ。ただ大酒と放埒のため、官途が勤まらないで、つい公卿くずれみたいに身をもち崩してしまわれたらしい。……だが、おれの遊学中は、親切にして下すった。皆も、大切にしてあげてくれい。当分、東国巡りをして帰るつもりだろうから」
弟たちは、疑わなかった。
将門は、ただ一つの満足を、この弟たちが、揃って頷く顔に見た。無条件に、兄を信じているその従順さである。兄以上、世間知らずの素朴さだ。責任を感じる。彼は、この顔の一つ一つの上に幸福を持たせてやらなければならないと、重荷を思う。
「兄者人。……お客人の、お名まえは」
末の七郎将為が、ふと、訊いた。
「あ。そうそう。お名は、藤原不死人。――遊んでいるから職名はない」
答えながら、毛穴のどこかが、汗ばんだ。
当の不死人は、昼からもう飲んでいる。将門は、またつかまると、座を抜けられない気がしたので、
「今のうちに、国庁まで行って来るぞ」
と、梨丸と子春丸の、童僕ふたりに、馬の口を把らせ、数日前の事件もあるので、ほかに郎党十人ほど、後ろに連れ、国司の庁へ、出向いて行った。