Clásicos japoneses con furigana
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
Lee 平の将門 (たいらのまさかど) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 232.193 caracteres · 463 pantallas
東国の客、秀郷が、右大臣家を訪れたさい、主の忠平が秀郷にもらしていたことばに依って、彼は、自分の運命の前途が――いや、前途も何もない、これッきりなものだという運命を――初めて、身に知ったのであった。
「大叔父の国香も、ほかの叔父めらも、ていよく、おれを故郷から追ったのだ。……右大臣家への、頼み状は、おれを都へ捨て子する、身売り証文もおなじだったのだ」
今にして、それを知ったものの、東国の遠さ、現在の境遇。――うらみは、独りの中で悶々と、独りを燃やすだけに過ぎない。
――故郷の小さい弟どもは、どうしているか。牧の馬は、どうなったろう?
郷愁も、また、不安を手つだう。
殊に、大叔父の国香の、肚ぐろい遠謀が、あきらかに、読めてきた今では、都にとどまって、空しい希望にすがるよりは、いッそ、東国へ帰ろうか――とは、何度も考えたことだった。
「だが。帰ったら、叔父たちが、どんな顔するか。大叔父たちの勢力をむこうにまわして、自分の小さい力が、どれほどに対抗できるか?」
必然な、恐いものが予想されてくる。おそらく、自分の帰国を待つものは、弟と、馬ぐらいなものだろう。