Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Lee 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 566.138 caracteres · 1127 pantallas

Aozora Bunko

「あっしも、きょうは、御本堂へ坐って、ありがたい入仏供養のありさまを、拝ませていただこうと思うんで」

「ふウむ、おめえ急に、信心家になったんだな」

平次郎は、そんな軽いことばにも、すぐ顔色をうごかした。

三

平次郎は空虚だった、人浪と念仏の声にただふらふらと押されているに過ぎない。心のどこかでは絶えず自分の犯した大罪の発覚をおそれ、あらゆる人間に向って鋭い警戒と神経が休まらなかった。

「ホウ、御本堂じゃ」

「なんとお見事な」

「あれに、御勅額も」群衆の顔がみな上を仰いで、眼をみはりながらつぶやいているので、平次郎も初めて、本堂の正面に来て立っている自分に気づいた。

十二間四面の新しい木の香にかがやいている伽藍には、紫の幕が張りまわされ、開かれた内陣の御扉には、おびただしい灯りが耀いて見える。

下野の城主大内国時の一族をはじめ、久下田太郎秀国、真壁の郡司や相馬の城主高貞など――そういった歴々の帰依者も、きょうはすでに家臣をひきいて、本堂の左右にいながれ、伽藍成就のよろこびを囁き合っていた。

平次郎は、遠くからその光景を仰ぎ見たが、太刀を帯びている国主や武士は皆、やがて自分を縛る鬼のように見えて、じっとしていられなかった。