Clásicos japoneses con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lee 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 566.138 caracteres · 1127 pantallas
丘の上に立つと、
「おお……」と、範宴は笠をあげた。
河内平のあちこちの野で、野焼きをしている火がひろい闇の中に美しく見えたからである。
平野の闇を焼いてゆく野火のひかりはなんとなく彼の若い心にも燃え移ってくるような気がした。
範宴は自分の行く末を照らす法の火のようにそれを見ていた。彼の頬の隈が、赤くなすられていた。黙然と、火に対して、祈祷と誓いをむすんでいた。すると――
「いや、弟御様は」と、性善坊があわてだした。
「先へ行ったのであろう」
「そうかも知れません」足を早めかけると、どこかで、ひいっッ――という少女の悲鳴がきこえた。
耳のせいではなかった。たしかに、梢の声なのである。そこはもう下りにかかった勾配で、真っ暗な道が、のぞきおろしに、雑木ばやしの崖へとなだれこんでいた。
「――誰か来てえッ……」ふた声めが、帛を裂くように、二人の耳を打った。
それにしても、朝麿の声はしないし、いったい、どうしたというのだろうか?
「あっ、お師さま」先へ駈けだした性善坊は、何ものかにつまずいたらしく、坂道に、もんどり打っていた。範宴も、駈けつづいて、
「どうしたのじゃ」