Classiques japonais avec furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
が、一つだけ気にかかることがあった。
それは洞窟のある一所から、絶えず煙りが出ていることであった。
それも尋常の煙りではなく、墨のような色をした煙りであり腥ささを感じさせる煙りであった。
煙りがそこから吐かれて来るからには、何者か住んでいなければならない。
でも、女たちは恐ろしげもなく、その洞窟の住人どもを、かえって誘惑でもするかのように、陽気にハシャイで泳ぐのであった。
「怨めしきは判官殿、わたしを恋死にさせながら、あなた様にはノンキらしく、ほかに増花の女をつくり……口惜しい――ッ」
と幽霊女は云ったかと思うと、ピシャリ! と水を掬ってかけた。
と、飛沫がパ――ッと立ち、日に射られて一刹那、そこへ鮮かに虹をかけたが、水をかけられた鶏娘は、
「キャ――ッ」
と、大仰に悲鳴をあげ、頭からドボ――ンと飛び込んだ。
と、綺麗な二本の脚が、水面から空へピーンと延び、しばらく宙でただよったかと思うと、グーッと水の中へ引き込まれてしまった。
死んだかな? 心配はない! 三間ばかりの下流へ浮かんで、
「コケコッコー、水あびたーッ、トテコーヨー、こん畜生!」
ピシャッ! と水を刎ねとばした。