Classiques japonais avec furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
「わしは皮肉を云うのではないが、一つ話をしようと思う」
いまだに小次郎は太刀も抜かず、手に持っていた小扇を、前に差しつけ構えていたが、訓すような声で穏かに云った。
「昔力持ちがあったそうだよ。力自慢の力持ちがねえ、薪ざっぽうを、両手に握って脛で折って見せると、こう見物に吹聴して、さて太い薪ざっぽうを、両手に握って脛へあて、グッと力をこめたそうだよ。ポキンと見事に折れたそうだよ。薪ざっぽうではなくて脛の方がねえ。……右衛門や、止めた方がいいよ、大鉞を揮うってこと。……あぶない!」
と小次郎は横へ飛んだ。
と、小次郎の元いた辺から、土と小石が四散した。
「右衛門や」
と小次郎は云った。
「わしは皮肉をいうのではないが、今の程度ならまだいいのさ、撲られても痛痒を感じない、石っころや土くれを撲ったんだからねえ。でもそんなこと繰り返していると、力自慢の力持ちのように、自分で自分の脛を折るよ。……おや!」
と小次郎は呆れたように、二、三歩うしろへ退ぞいた。
右衛門が鉞を地上へ投げ捨て、組んで取ろうと両手を拡げ、押っかぶさるように進んで来たからである。
(オレ降参だ)