Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans

Aozora Bunko

と、少し寂しそうに蓬生は云い、

「京の地へ行ったが最後、一月二月は帰らぬが普通、もし帰ったら病気か何かで……」

と、やはり寂しそうに云いついだ。

「あまりお姉様が穏しく、お小言おっしゃらないからでございますわ」

仲のよいこの二人の女は、姉妹のようにさえ見えるのであり、呉服は事実蓬生を呼ぶに、お姉様と呼んでいた。

蓬生の良人、この家の長男、戸野大弥太が父にも叔父にも、いや一族の誰にも似ないで、放蕩であり無頼であることが、父、兵衛の苦労の種、乱心の原因になっており、蓬生の陰気の種でもあることに、呉服はとうから感付いていたので、蓬生に同情しているのであった。

「先達様」

と、蓬生は云った。

「あなた様の勝れたご祈祷で、ねじけた男の心持ちをお治しくださることなりますまいか」

「さあ」

と、若い先達は、おおらかな微笑を頬にうかべ、貞節であり、苦労性らしい、蓬生の顔を眺めたが、

「すべて加持とか祈祷とかいうものは、受ける人の心の信不信によって、効験があったりなかったりします。……兵衛殿の病気の治られたは、心に信仰がありましたからで、……そなたの良人大弥太殿とやらには、一度も逢っておりませねば、その性質もとんと不明、従って信仰のありなしなども。