Classiques japonais avec furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
にござりまする」
と、これも訓すようにしみじみと云った。
「は、はい」
と呉服は消えがに答え、面を上げず泣き沈んだ。
「呉服」
と宮家は仰せられた。
「これまでそちに暇あるごとに、修験の大綱を話して聞かせたのう。……さてそこで今度逢うまでに『三種成仏』の三種の区別を、よくよく考え弁えて置いて、お前からわしに話しておくれ」
袖を払って御足を運ばれた。
「三種成仏? おおあれは?」
呉服はうっとりと考え込んだ。
「即身成仏、即身即仏、即身即身、これだった筈じゃ」
――が気がついて四辺を見た。
と、宮様のご一行は、遥かかなたを歩いておられた。
「あっ」
と呉服は仰天し、飛び起きて後を追おうとした。
後方にいた蓬生が抱き止めた。
「未練な! 呉服様! ……でも可哀そうに……」
「お姉様!」
と呉服は咽び、ひしと蓬生を抱きしめた。
「宮様が、宮様が、わたしを見すてて」
「いいえ宮様はあなたお一人だけの、御方様ではござりませぬ! この日本のみんなの御方様!」
「おおそうしてわたしには」
と呉服はハタと合掌した。
「神様でござります! 仏様でござります!」
同じこの夜のことであった、紀州熊野中辺地街道の、野長瀬の郷を七人の男女が、不思議な振る舞いをして通っていた。