Classiques japonais avec furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
「あれあれ」
と小次郎はまた叫んだ。
「観世縒りの人間が動き出した。これは凄い! 魔法だ! 幻術だ!」
女は次々に馬と人間とを、無数に観世縒りでこしらえた。
みんな生きて動き出した。
丈のびた雑草の緑にまじって、萩だの女郎花だの桔梗だのの、秋草の花が咲いている、飛蝗や螽や馬追などが、花や葉を分けて飛び刎ねている。
そういう地面を戦場にして、その観世縒りの人馬の群れは、やがて合戦をはじめだした。
「こっちが宮方京師方で、こっちが武家方鎌倉方ですの。――さあどっちが勝つことやら」
女はそう云って指さした。
観世縒りの人馬は討ちつ討たれつ、斬りつ斬られつ戦いつづけた。
一間四方ほどの戦場で、小人国の武士たちが、音のない戦いをしているのである。
と、女は手を延ばし、無造作に戦場を一撫でした。
すると人馬は仆れてしまった。
その人馬を女は片手で集め掌の中で一握りし、また無造作に地上へ投げた。
一握りほどの紙の束が、草の上にころがっているばかりであった。
「一切空ね」
と女は云って、小次郎の顔を覗くように見たが、
「こういうことの出来る女なのですよ」
「ド、どなた様でござりまするかな?」